勝手口の踏み台(ウェスタンレッドシダー)

友人から勝手口から出る時に使う踏み台を頼まれました。奥さんがゴミ捨ての時に使うとのこと。今のものが雨ざらしで腐りかけてきたらしいのです。

踏み台くらいだったら自分で作ったらと言ったのですが、奥さんが乗るものだからしっかりとしたものにしたい、できるだけ長く持つようなものにしたいと頼み倒されました。

まずは完成した踏み台の写真をつけます。材料はウェスタンレッドシダーです。

依頼を受けたあと彼は以下のような仕様を出してきました。

  • サイズ: 高さ:170mm、奥行き:200mm、幅:300mm
  • 使用環境: 雨ざらしかつ日当たり悪い
  • 使用頻度: ほぼ毎日。1から2回
  • 耐久性: 5年以上
  • デザイン性: 見苦しくなく、盗まれない程度のもの
  • 納期: 現在の踏み台が壊れる前。約6ヶ月以内。

すごいですねぇ!(たかが ^_^;)踏み台なのにちゃんと規定しています。でも仕様を出されるとちゃんと守らなければ・・との緊張感が出ます。

そこでこちらから6個のデザイン案を作り彼と相談しました。以下からは案1が選ばれました。

 

依頼者が仕様を出してきたので、こちらも製作する上での基本方針を下記のように示し同意をとりました。

<方針>
・木材
ウエスタンレッドシダーを使う。米杉と呼ばれてるがヒノキ科。
腐りにくく、加工性がよい。(ウッドデッキによく使われる材木。風通しがよければ10年は大丈夫)
屋外で使う木の中では入手性がいい。

・腐食対策
天板の固定は、上からではなく、下の桟から木ネジで止める。(雨が木部内に染み込むのを避ける)
脚の上部切れ端(小口)には水に強い粘着テープを貼り雨の染み込みを少なくする。
脚の上部と、桟の合わせ(相欠き)部は雨が直接当たらないように天板の下に隠す。
相欠きを使う場合は、切り欠いた板を上部の板が覆う形にする。
脚の下にゴム板(丸か四角)を付ける。(下からの水を吸い上げないようにする)
塗装は戸外に強いキシラデコール(か柿渋)を使う。
木ネジはステンレスを使う。

製作自体は難しいところもなく進みました。

 

問題は屋外に置きっぱなしにするので腐り防止対策です。

ほぞ部分を固定するボンドには通常の白ボンドではなく、屋外でも使える耐水性を持つ Titerbond III を使うことにしました。しっかり埋めることでほぞ部分に水の侵入を防ぎます。


塗装は試行錯誤して柿渋+墨(少量)にして少し昔の日本風にしました。柿渋は昔から外壁に使われてきたので、屋外使用でも問題ないでしょう。

天板の間には隙間を開け、雨水がたまらないようにしています。
さらに天板を乗せる貫部分には防水テープを入れ、できるだけ天板と貫との間に雨水が残らないようにしました。

天板の固定はステンレス製木ネジを使いましたが、写真のように下から天板を固定します。上からだとその部分に雨水が溜まるからです。

脚の下には水の吸い上げ防止のためにゴムを貼りました。ウェットスーツなどに使われる撥水性の高いゴムです。同時に滑り止めの効果も期待してます。

雨の時に足を置いた時滑ると困るので、天板には横方向にも溝をつけました。滑り止めです。

完成して友人宅に持参しました。あいにくと使われる当人である奥様は不在でしたが、出来栄えを気に入ってくれました。設置場所は確かに雨ざらし状態でしたが下はコンクリートだったのでそれほど腐りやすい環境ではないとホッとしました。

長く使ってくれると嬉しいです。

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